PROTEIN Laboratory

プロテインの量と飲むタイミング

タンパク質の必要量

1日に必要なタンパク質の量(プロテインパウダーの量ではありません)は、特に運動をしていない人で体重1kgあたり1gのタンパク質が必要です。つまり体重70kgの人は1日70gのタンパク質が必要です。

筋トレで体を大きくしたい人やアスリートは体重1kgあたり2gのタンパク質が必要になります。

体重1kgあたり1gのタンパク質は、意識していれば食事だけで摂れる量でしょう。しかし、2gとなると食事だけではなかなか厳しいのではないでしょうか。摂れたとしても余計な脂質やカロリーまで含まれてしまうので、プロテインを使って高タンパクでありながら脂質とカロリーを抑えるようにしましょう。

プロテインの量

再び体重70kgのアスリートを例にとると、1日140gのタンパク質が必要です。仮に三度の食事で半分の70gが補えたとしましょう。

残りの70gをプロテインパウダーで補うわけですが、70gのプロテインパウダーにタンパク質が70g含まれているわけではありません。タンパク質含有率が80%とすると70gのプロテインパウダーには56gのタンパク質しか含まれていません。

含有率は大体80%前後ですが、1食あたりのタンパク質の含有量がパッケージに書かれていますので、それを参考に計算してください。牛乳で飲む場合は、そのタンパク質も計算に入れましょう。

プロテインパウダー

過剰摂取

トレーニング強度、トレーニング頻度、筋量、体質、消化能力など様々な要因で個人差があるため何グラム以上が過剰摂取ということは難しいようです。

スポーツ栄養学の論文などでも「1日のタンパク質の摂取量は体重1kgあたり2gまで、せいぜい体重1kgあたり3gが上限」としているものが多いようです。ボディビルダーだと4g程度摂る人もいるので、やはり個人差があるとしか言えないようです。

ただ、タンパク質を摂りすぎると内臓に負担をかけてしまいます。摂りすぎて余ったタンパク質は分解されて窒素になります。窒素を体外に排泄するために肝臓と腎臓が働きます。このため、肝臓と腎臓の負担が大きくなり、内臓疲労を引き起こしやすくなります。

また、過剰摂取とまでいかなくてもタンパク質の多い食事は腸内環境を悪化させます。なのでヨーグルトや納豆など腸内環境を改善する食品も食べるようにしましょう。

飲むタイミング

プロテインは一度に大量に摂取しても吸収されません。吸収されなかったタンパク質は体脂肪になりますし、内蔵にも負担がかかります。

プロテインには効率良く吸収できる摂取タイミングがあります。それは成長ホルモンが多く分泌される時、つまりトレーニング直後と就寝前です。いわゆるゴールデンタイムと呼ばれるものです。

成長ホルモンは睡眠中に分泌されるタイミングが何度かありますが、入眠時3時間以内が最も多く分泌されるようです。当たり前ですが睡眠中にプロテインは飲めないので、就寝前に飲むことになります。

理想をいうと就寝前はホエイ・プロテインよりも、ゆっくりと吸収される大豆プロテインやカゼイン・プロテインの方が向いています。

トレーニング後のプロテインは重要ですが、トレーニング前の摂取も重要です。筋タンパクは「合成」と「分解」を繰り返しますが、トレーニング後の「合成」時にはトレーニング前に摂取したタンパク質が材料になります。

トレーニング後の「合成」時には、トレーニング後に飲んだプロテインでは間に合わず筋肉の材料にはなりません。そのため、トレーニング後の成長ホルモンの分泌に合わせるには、トレーニング前の食事やプロテイン、トレーニング中のBCAAやEAAなどのアミノ酸も重要になります。

トレーニング後は「合成」のスイッチをオンにするだけの役割なので、10g程度のプロテインで良いという研究報告もあります。

タイミングについて色々と書きましたが、最も大事なのは一日のタンパク質の総摂取量です。

いくらベストなタイミングでプロテインを飲んでも、一日のタンパク質の総摂取量が少なければ、筋肉の材料がないので筋肉は作られません。

何で飲むか

もちろん、好きな飲み物に混ぜて飲んで構わないのですが、脂質が多くなると消化吸収が遅くなることを覚えておきましょう。

特にチョコレート系のフレーバーは牛乳と混ぜると美味しいですが、素早い吸収が求められる時には水で飲む方が吸収時間の早さでは優れています。

逆に脂質が入ると消化吸収が遅くなることを利用して、ホエイしか持っていない場合に就寝前にオリーブオイルなど健康的な脂質を混ぜてゆっくりと消化されるようにすることもできます。

ただし、ホエイにオリーブオイルなどを混ぜても、ソイやカゼインほどゆっくりとした吸収にはならないそうです。

子供が飲んでも大丈夫?

プロテインとはタンパク質なので、もちろん大丈夫です。実際にジュニアプロテインを出しているブランドもあります。

ジュニアプロテインは何が違うかというと、プロテインの質や素材が違うわけではありません。タンパク質以外にエネルギー源となる炭水化物や成長に必要なビタミンやミネラルなどが配合されていたりすることが多いようです。また、子供が飲みやすいように、甘みが少し強かったりなど子供好みの味付けがされているといったところです。

糖質の他にビタミン、ミネラルなどが配合されていることもあるので、ウェイトゲイナーやMRPに近いかもしれません。

もちろん大人が飲んでも大丈夫ですが、ジュニア用は糖分に砂糖や果糖を使っているものもありますので、それらを摂りたくない人は注意して下さい。